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社会不安を煽るからMLMは成立する?
日本が高度成長を遂げていた80年代の半ばまでは、会社は永遠のものと考える人たちはたくさんいました。 ところが、低成長時代からバブル崩壊以後は、実力社会という言葉が頻繁に露出するようになり、自分の実力を見せることで、それまでの報酬から抜け出して格段の収入を得るという生き方がひとつのトレンドになったという事実があります。 それまでの年功序列では、どんなにがんばっても自分の地位や収入は、年功社会の枠組みの中だけで評価されるだけでしかないものを、一歩外に踏み出して本当の自分の実力を発揮し、それを正当に評価するシステムがあれば、地位や収入は自ずと上がっていくというもので、ある「実力」をもった人々の中では魅力的な考え方だったことは確かです。 企業が、他社と差別化を図るとき、そういう人材にチャンスを与えて短期に大きく成長する足がかりにするようになり、正規雇用、年功序列という考え方は、だんだん顧みられなくなっていきました。
その一方で、激烈な競争社会の外側にいる人たち、あるいは、ひとつの事柄をコツコツと積み上げていくことがその人の生き方のような人たちまで、この一方的な価値観が強いられるようになっていったのが、今日の労働環境の基礎になっていった現象です。
さて、もともと、自分の生き方を自分で決めるような人たちは、そもそもMLMに参画するまでもなく、その収入を確保していけた人たちです。 しかし、多くの人たちにとって、このような変化は好ましいことだったのか、あるいは、多彩な価値観の多くを一方的に否定された犠牲者なのか、今日の状況を見ればその結論は出てしまってると言わざるを得ません。
ネットワーカーと称する人々は、こうした社会的背景を逆手にとって、殊更に将来に対する不安を煽り立てます。 誰しも、将来にわたって確たる基盤がなければ、不安になるのは当然でしょう。 しかし、それがたった一つの回答で解決できるほど単純なものでしょうか?
彼らは、経済的に豊かになることが将来の不安を払拭すると言います。 その事自体は否定しません。特に今日のような著しく不安定な雇用環境で、自分の生活基盤を作るだけでも簡単にいかない社会では、だからこそ、一刻も早く生活を安定させる手段が必要なのです。 だからと言って、それはMLMでは断じてありません。 何故?って、今よりもっと状況が悪くなるからです。
はっきり書いておきますが、これまで、MLMで成功したとか喧伝してる連中は、短期に大きな収入を得たと言われてる人たちです。 それも、どこまで信用のおける話なのか、実態は極めて怪しいものです。
少なくとも聞かされるような「権利収入」や「恒久的収入」を手に入れている人たちではありません。 いや、かつてはそういう人たちは少数ながら存在しました。ですが、その人たちはとっくにMLMを「卒業」してしまいました。
数少ない成功者は、会社を設立して、正規雇用と非正規雇用を使いこなして、その利潤を新たな事業資金にしています。
その人たちの常識はもはや「MLM」ではありません。
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